
機能面からデザインを考える
web制作を依頼するクライアントさんによくありがちなことですが、どうしてもホームページをつくる際にご自身の好みのデザインを落とし込むことに躍起になっている場合があります。
「背景にもうすこしこの色を入れたい」
「スマホではこうしたい」
「もっとこの文字を小さくしてほしい」
「これもあれも目立つようにしてほしい」
・・・などなど
思い出せば切りがないですが、webサイトにおける「デザイン」とはそもそも「見かけ」だけではなく、機能性が大きくかかわっている要素なのです。
ここは忘れてはいけないとっても重要な部分です。
文字がしっかりと認識できる。どういうことを訴えたいのか理解できる。ボタンをクリックし、必要な情報を入力し、ユーザーにとってもらいたい行動をフォローする。
このようにホームページにおけるデザインとは、「わかりやすさ」「読みやすさ」「使いやすさ」を体現することを意味しています。
そしてこれらを7つの項目に分けて考えることが重要となってきています。
それをご説明しましょう。
デザインの7つの機能項目
デザインにおける7つの機能項目は簡単にまとめるとこのようになります。
情報理解の促進 | わかりやすくする |
誘目性・視認性の向上 | 見つけやすくする |
操作性の実現と向上 | 使いやすくする |
習熟度の向上 | 覚えやすくする |
アイデンティティの体現 | 自分らしくする |
一般常識への準拠 | 受け入れやすくする |
可変性の維持 | 変えやすくする |
ざっと洗い出してみてみると、デザイン1つにとってもこれだけの機能を内包しているのです。
言い換えるならば、わかりやすくて、見つけやすくて、使いやすくて、覚えやすくて、自分らしくて、受け入れ安くて、変えやすいことがホームページデザインの条件です。
ただし、これらの機能面の条件がどんなときも一定の度合いであるべきという話ではありません。
機能面の条件の度合いについて
デザインの機能面の条件はすべて意識されるべきですが、常に一定のレベルが求められるというわけではありません。
なぜならば、どれくらい「見やすくするか」や「使いやすくするか」はそのウェブサイトの種類、またはそこに訪問する大体のユーザーセグメントに最適化されるからです。
例えば、60際以上のシニア層をターゲットとしたホームページは、ユーザーの視力低下を前提として強い視認性のあるデザインが求められます。
また、リピートユーザーに大きな損害をもたらす可能性のあるニュース、もしくは企業としてステークホルダーに社会的な説明責任を果たさなければならないような重要な記事を掲載する場合を考えてみましょう。
デザインには訪問時にすぐに目に飛び込んでくるような視認性と情報処理の理解の促進の度合いが強くもとめられます。
このようにデザインの機能面の幅は、そのwebサイトの前提条件やプロジェクトによって変化します。
いかがでしょうか?
デザインは機能面の向上をもたらすものとして考えると、簡単に好みや感覚によって作成してはいけないんですね。
今後サイトを作成・またはリニューアルなどを考えている方はこうしたことを考えてもらえたらと思います。